ドラマ『僕らの食卓』10話 感想

ついにこの時がきました。

今週もよろしくお願いいたします。

10話のあらすじ

幸せな日々を過ごす豊(犬飼貴丈)と穣(飯島寛騎)だったが、豊は、いつかくるかもしれない別れに急に不安を覚えてしまう。二人で出かけた時も、拒むような態度をとる豊の様子に戸惑う穣。そんな折、豊は耕司(原田龍二)から誘われて上田家を訪れることに。そして、みんなでおとんのスペシャルメニューを楽しんだ。その夜、上田家に泊まることになった豊は、自分の不安を耕司に相談する。自分も妻を亡くしている耕司は、優しく豊の気持ちに寄り添い、豊は耕司の言葉によって涙するのだった。そして、豊はある決心をする…!

ドラマ『僕らの食卓』| 10話

 

ごはんと家族

10話はまさしく

「食事を通し、人のつながりを描くハートフルドラマ」

の集大成となるお話でした。

 

おとうが豊に振舞ったキムチートマト鍋。

原作にも出てくるこのお鍋に、妻・実花さんと家族になった思い出と

幼い穣も一緒に食べられるよう工夫したエピソードが加わることで

このお鍋が上田家にとって特別なごはんであることが伝わってきました。

おとう、実花さん、穣、種くん、そして豊。

ごはんが繋いでゆく家族の物語や…

今夜のごはんは、おとうから豊への「きみも家族だよ」ってメッセージだったのね…

気が付いたら滝のような涙を流していました。

 

大切な人との別れが怖いという豊の不安を優しく受け止める

おとうの言葉が一言一言心に沁みてきます。

 

ありがとう、おとう…

 

豊と穣

「思い悩んだら、俺に話してほしい」

「ふたりのことは、ふたりで考えたい」

 

穣が豊にこう伝えたシーンで、

私は「あぁこのふたりはきっと大丈夫だ…」と思えたんです。

 

元々、暮らしてきた環境も価値観も異なる豊と穣。

そのふたりがお互い惹かれ合って一緒になったとしても、

まだまだ相手の知らない部分は山ほどあるし、

ちょっとしたことですれ違いも起こります。

 

けれど、そのたびに言葉を尽くして話し合おう。

ふたりに起こったことは、ふたりで乗り越えていこうと。

そうまっすぐ伝えた穣に

思わずスタンディングオベーションを送りました。

 

このドラマの好きなところは、

相手の価値観を知り、自分のそれをアップデートしていくこと。

自分のことを大切にすることで、相手のことも大切にできること。

それらを豊と穣の言動や在り方で伝えてくれるところです。

なかなか上手くいかないよねって投げ出したくなる煩わしさも認めつつ、

でも大切な人やからすれ違ったままじゃあかんよな!って優しく背中を押してくれたのが僕食でした。

 

この先私が恋愛するかは分かりませんが、

もし大切な人と向き合う時がきたら、

真っ先にこのドラマを思い出すことでしょう。

 

 

ラストシーン

保育園でのラストシーンが

私の中でもの凄く腑に落ちたんです。

そして僕食が2023年にドラマとして放送された意味を

勝手に感じてしまい一人で嬉し涙を流しました。

これはあくまでフィクションであって、

現実はそう上手くいかないかもしれない。

そう感じてる方もいらっしゃると思うし、

それでいいと思ってます。

感じ方はそれぞれだから。

けれど少なくともクィアである私にとっては、

勇気をくれたシーンでした。

種くんの言葉が、豊の言葉が、

画面越しの私まで救ってくれました。

 

私はきっと結婚しないけれど、

家族や友達、私の大切な人たちが、

好きな人や大切な人と一緒に暮らせる世の中であって欲しいし、

そうなってない現実に憤りを感じるし、

それなのに何も力になれないちっぽけな自分に打ちひしがれてました。

そんなズタボロの私に力をくれたのが僕食なんです。

僕食が、ドラマと現実との間にある違いに目を向けるきっかけになったら。

そう願っています。

 

物語はここで終わりだけど、

この先もどこかで豊と穣たちの日常は続いていく。

それを感じられるエンディングだったからこそ、

願わずにはいられませんでした。

 

豊と穣と種くんを包むあたたかな陽の光は、

これから生きてゆく我々をも包んでくれる光に思えました。

 

このドラマに出会えて本当によかったです。

原作者の三田織さんをはじめ、

制作に関わったすべての方に感謝の気持ちでいっぱいです。

ありがとうございました!!

 

あ〜はやく全国の地上波で放送してほしい~!

ビジュアルブックとサウンドトラックCD発売待ってます!

続編や映画化も前向きにご検討いただけると幸いです!

 

僕食ロスを覚悟していた私に、スピンオフという救いの手が差し伸べられました。

また感想が書ける~!

楽しみ!