平野良フォトエッセイ『39』を読んだ。

最近色んなエンタメを摂取して面白かった~!の記録を残せてなかったので

ここに書きます。第一弾は本です。

 

平野良『39』

俳優・平野良による初のフォトエッセイ。

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この本を一言でいうと「お礼行脚」。

平野さんは幼少期から現在に至るまでの自分の半生を振り返りながら、

文章の最後はきまって関わったすべての人や経験への感謝の言葉で締めくくられる。

この本を読んでいると、平野さんのお礼行脚に同行させてもらっている気分だった。

とくに芸能を離れ会社勤めしている時の話は、まるで自分事のように引きつけて読んでいたし、身につまされる内容も多かった。

 

かつてミュージカル『テニスの王子様』や『戦国鍋TV』を通ってきた私にとって、

平野良さんといえば四天宝寺中の一氏ユウジであり、利休七哲細川忠興でした。

歌とお芝居が上手くて、根明で、なんでも器用にこなす人という印象を抱いていましたが、

当時は実際に舞台を観に行こうとまでは思っていませんでした。

しかし、そんな印象が変わったのが、舞台『文豪とアルケミスト』の太宰治役でした。

泥臭いくらいストレートに「生きる」ことをこちらに訴えかけてくる太宰の姿に圧倒されたのです。

「根明で器用な人が、果たしてこんなお芝居が出来るだろうか…?」

「実はとんでもなく根暗で苦労人なのでは…?」

と、その時浮かんだ疑問は、後にこの本を読んで解き明かされました。

と同時に、勝手な印象だけで人を判断していた自分の浅はかさを恥じました。

いろんな人がいて、いろんな人生があること。

人や物事を多面的に捉える視点を持つことの大事さに改めて気づかせてくれました。

ありがとうございます。

 

読み終わった後は「いい本読んだなぁ」というよりも、

いい舞台を観てホクホクした気持ちで劇場をあとにする感覚に似ておりました。

 

猛烈に平野良さんのお芝居が見たくなった時に偶然、舞台『2.5次元ナビ!シアター』に出演されることを知りました。

速攻でチケットを購入。

あらすじを読んで俄然楽しみになりました。

平野さんのお芝居を生で観た時、今の自分からどんな感情が湧き起こるのか

今からとても楽しみです。