2023年で最も印象に残った出来事は、作家の津村記久子さんに会ったことです。
遡ること2020年の1月、津村さんのエッセイ本『枕元の本棚』と出会った私は、
じわじわとその作風にハマっていきました。
約3年かけて著作を全て読み終え、新刊の発売を心待ちにしていた2023年。
ひょんなことから、大阪市中央図書館で開かれた津村さんの講演会に参加しました。
以下、当日のメモ書きの中からとくに心に残っている感想を書いていきます。
※所々聞き間違いがあるかもしれません。ご了承ください。
・開演前に何故かめちゃくちゃ緊張していたが、会場内に音楽が流れ始めて少し緊張がほぐれた。音楽って凄いなと感じた。
再生曲リストが貼ってあった。『水車小屋のネネ』でネネが聴いたり歌ったりしている曲らしい。
・ぬるっと登場する津村さん。本物だ。バンドTシャツにカーディガンという、
今まで写真で見てた津村さんが目の前にいた。厚みを感じた。
ものすごくフラットなテンションでいてくれるので、こちらも構えずにいられた。
・講演会の応募は500人ほどいたらしい(定員は300人)
・人が救われる時は、悩みとは全然別のことで救われることが多い。例えば、友人が全然関係ない場所に連れてってくれたり。
むしろ、直接的に救おうとしてくる人には気を付けた方がいい。そういう人はお金、時間、感情を奪ってくる。
津村さんが上記について語っている時、とても実感がこもっていたし、
そういう人達に対する毅然とした態度が印象的だった。
・ネガティブな感情が出てきた時は、「いつか治る」と思って、水を飲んだり、トイレに行ったりと具体的な行動を淡々とこなしているとどれかがヒットして心が軽くなったりする。参考にしよう。
・津村さんの最近
牛肉が半額になる時間帯にスーパーに行くのが好き。
J2の最終節がアツかった。「こことここの順位が入れ替わるんや…!」って。
ツールドフランスのチャンピオンの性格が地味すぎるのが面白い。(ダディ・ポガチャルのことか?)
・好きな音楽
シューベルト、DESCENDENTS(ディセンデンツ)←どちらもメガネが共通してると友人から指摘されたらしい。
DESCENDENTSは10月にライブに行ってきたが、そこでコケた。群集事故に巻きこまれたら自分は真っ先に命を落とすだろうと思った。
ミッドウェストエモ。楽器が上手いインターネットオタクの発露。
初めて聞く単語だった。色々と喋っていたけれど刺さる人には刺さっていた(前の席にいた人はめっちゃ頷いて聞いてた)
・土地
(香川県の話になり)南風からの眺めが好き。
船場センタービルはどこまで行っても店があり、もはやひとつの宇宙。いつかここの店の話を読みたい。
大阪駅前ビルは会社員時代よく行ってたので目をつむっても歩けるかも。
鹿児島のスタジアム(たぶん白波)からは桜島が見える。ちょうど噴火しているときに地元の人が「すぐ噴火すんのッ」って言ってんのがおもしろかった。
黒豚のしゃぶしゃぶを一人で食べてたらあまりの美味しさに給仕してくれる女性の手を取って感謝したい衝動にかられた。だけどお隣では食べながら家族のゴタゴタ話してて「何で!?」となったそう。
・本
『デブの国、ノッポの国』→コンプラ的に大丈夫か心配になるタイトル。
めっちゃおしゃれだけど内容は血を血で洗う戦い。作中のご飯がめちゃくちゃ美味しそう。
『若草物語』→女性しか出てこない。みんなめっちゃ喋る。作家の生涯を調べるとより感じるものがある。女性の幸せっていろんな形があるよねって。
ケヴィン・ウィルソン『地球の中心までトンネルを掘る』→出版社からの一か八かの献本が心に刺さることがある。
ジャニス・ハレット『ポピーのためにできること』→作中のメールのやりとりがおもしろい。人が取り繕うさまとか醜いところが読める作品。
・食べ物
カクたこを作って食べるのにハマっている。
卵焼き器で作るたこ焼き的なもの。でも別にタコ入れなくてもええかなって思ってる。
安くて美味しいから食べ過ぎて太った。
最近よく食べているお菓子は、森永のビスケットにチョコレートをかけたやつ。(オールシーズンは売ってない?)
・友人からのあだ名というか呼ばれ方が「つむ」「ツム」が多いので、
たまに隣でツムツムしてる人がいると「私、ツムラって言うんです」と言いたくなる。
・どんな人になりたい?っという質問には、着ているTシャツ(DESCENDENTS)に描かれた人を指して「こんな人になりたいかな~」と言っていた。
ブログに書いていると、改めて津村さんとは居住地や職業は勿論のこと、好きなことや興味のあることも全然違うんだなと感じました。
初めて聞くジャンルの言葉が多く、講演会の後にメモを頼りにインターネットで調べてメモの清書を作っていました。今まで知らなかった情報や価値観が自分に積み重なっていくこの時間が非常に楽しかったです。
こうやって好きなものが全然違う人とでも、小説を通して同じこと考えてたり、感じてるんだって気づけたのは津村さんのおかげやと思います。
本当にありがとうございました。
また講演会があったら行きたいと思います。