ヅカオタの備忘録⑤~東京宝塚劇場へ~

2018年10月23日(火)・30日(火) 月組公演『エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-』

ここまで順調に宝塚観劇を楽しんできた私だったが、前回の花組公演で「チケットがとれない」ことによる焦りや絶望を味わった。もうこんな思いをしたくないと心に決めた私は、宝塚歌劇Webチケットサービスと宝塚友の会以外のチケット購入方法を探し始めた。インターネットの検索欄に「宝塚 チケット 取り方」と打ちこむと、様々なチケット購入方法が紹介されたブログが数多く見つかり、その充実ぶりに感動した。もしかしてこれはヅカオタの必須科目なのか?

その中で私がすぐに実践できると思ったのが、以下の2つだった。

  1. 各種プレイガイドの利用
  2. カード会社の先行や貸切公演に申込む
さっそく各プレイガイドのサイトへアクセスし、貸切公演に申込んだ。その他先行抽選があれば申込む。初動の速さが重要。

先達のブログで「とにかく数が打てる」と書いてあった通り、数多くの公演に申し込むことで当選の機会を増やせるのがメリットだ。私が利用していたのはローソンチケット、e+(イープラス)、チケットぴあの3つ。そして三井住友VISAカードをもっていた私は「Vpassチケット」*1の利用登録を済ませ、貸切公演に申込んだ。

こうして先達から学び行動した結果、私は東京宝塚劇場月組公演『エリザベート』の貸切公演を観ることができた。当選メールが届いた時の、喜びと安堵で全身の力が抜ける感覚は今でも憶えている。 

東京宝塚劇場

劇場付近はさっぱりと洗練された雰囲気で、地方から来た人間にとっては少し敷居が高く感じる場所だった。いつもの癖で早めに劇場に着いたはいいが、開場までの時間をどこで過ごすか悩んだ。近くに手軽に入れる全国チェーンのお店はなく、おしゃれカフェには入るのを躊躇う。悩んだ末に近くの日比谷公園を散策することに。園内にある日比谷図書文化館で読書などして過ごした。(この時読んでいたのが中山可穂さんの『銀橋』*2)。宝塚歌劇への気持ちを高め、劇場へ向かった。劇場ロビーに入ると、赤い絨毯が敷かれた階段とシャンデリアが迎えてくれて、一瞬で宝塚に戻ってきた気分だった。都会の真ん中にも夢の世界があって安心する。今回の座席は2階席の15列。かなり傾斜があるのでオーケストラピットまでしっかりと見えた。劇場も月組公演も一本物ミュージカル*3も貸切公演も18:30開演も初体験。何もかもが初めて尽くしの観劇に心を躍らせながら、エリザベートの幕が開いた。

エリザベート

 私が初めてエリザベートを観たのは2012年の東宝版だった。冒頭の「我ら息絶えし者ども」を聴いた瞬間に当時の記憶が蘇ってくる。そういえば、入場特典でミルク風呂の入浴剤貰ったなあとかあの頃は古川雄太の歌を心配しながら聴いてたなあとか些細な事を思い出しながら、観劇を続けた(集中しろ)。個人的にゾフィー役の憧花ゆりのさんのお芝居と歌が好きで、観劇後もしばらくゾフィーの歌ばかり口ずさんでた。そして制作発表会の映像で愛希れいかさんの歌を聴いて涙してから、絶対劇場で聴きたいと願っていた「私だけに」。自由を追い求めるエリザベートの強い意志と気高さに心を揺さぶられ、劇場でも涙が止まらなかった。このシーンを観られて本当に良かった。

東宝版との大きな違いといえば、最後のフィナーレとパレード。初見の時は面食らったし、トート閣下の投げキッスというキャラ変を一体どういう気持ちで観ればいいのか戸惑った。しかしそれもつかの間、男役群舞では月城かなとさんに目を奪われて胸が高鳴り、珠城さんと愛希さんのデュエットダンスでは興奮で震え、パレードで昇天した。なにこれ楽しい、もう一回観たい…と思ったら来週もチケット取れてるんだった。なにそれ幸せ……

終演後にはトップスターさんの挨拶もあり、初めてのことに驚きながらも楽しい時間を共有することが出来た。帰りにキャトルレーヴで月城さんのポストカードを買い、幸せな気持ちに包まれながら劇場をあとにして東京駅まで歩いて帰った。

こうやって深夜に高速バスで地元に帰ったり、待合室で缶酎ハイ飲んだりするのも私がそういう自由な人生を選んできたからなんだと実感。来週も高速バスで東京、その3日後には高速バスで宝塚へ…いや、高速バスを選んだのは交通費節約の為であって全然自由じゃないし…交通費を気にせず快適に移動がしたい…

全組制覇を果たした私は、宙組公演観劇のため再び宝塚へ舞い戻る。続くバス移動で、試される体力と宝塚への愛。

次回に続く

*1:VISAカード会員限定のチケット販売サービス。

*2:ひたむきに芸の道に打ち込むタカラジェンヌさんたちの愛と青春の宝塚小説。『男役』、『娘役』に続くシリーズ第3弾。

*3:お芝居が二幕とミニレビューで構成された公演。2018年では花組公演『ポーの一族』も一本物ミュージカルである。