中村倫也が心の支えだった話

自宅で過ごす時間が増えた4月。すると今まで気に留めていなかった隣人の生活音の大きさに気付くようになり、ストレスを感じ始めた私がいた。そんな私の心を支えていたのは俳優・中村倫也さんの動画「中村さんちの自宅から」だった。これは文字通り中村倫也さんが自宅で撮影したゆるい動画を、所属事務所のYoutube公式チャンネルで配信したものだ。時には寝ぐせのついた髪に部屋着姿でカメラの前に現れ、ファンから募った質問に答えたり、時にはエプロンをつけてキッチンで料理したりと、(たぶん)素の状態の中村倫也さんを惜しげもなく観られるコンテンツが誕生したのだ。しかもほぼ毎日更新されるのに全く飽きない。飽きるどころか、観るたびに彼に対する認識が塗り替えられていく。次はどんな新発見!中村倫也が来るのか、動画更新が待ち遠しくてたまらなかった。

「休日はヒゲ剃らない組織の代表やってるので」(意訳:休日はヒゲを剃りません)とテキトー発言を繰り出したかと思えば、ハムスターの選び方について熱く語りだす。前世は一匹狼の侍(最期にシイタケを見ながら死ぬ)だったらいいなとかぬかすし、身長は170㎝だがO脚治せば175㎝あると豪語する。キッチンのコンロ使う時だけ五徳を設置する。めちゃくちゃ料理の手際がいい。コアな漫画トークをし出す*1。夜遅くにTシャツ刷り始める。ギターやピアノを弾きながらバースデーソングを歌ってくれる。突如動画の冒頭で始まるアドリブ絵描き歌。等々、新発見!中村倫也を挙げればきりがない。この動画を観て、私が知っている中村倫也さんは彼のほんの一面に過ぎなかったことを思い知らされる。そもそも私のファースト中村倫也さんは、闇金ウシジマくんに出てた洗脳詐欺師だったからね。そりゃ毎日が新発見だよ。

 ファンからの質問で好きな四字熟語を聞かれてパッと思い浮かぶのが行雲流水*2と虚心坦懐*3だったあたりにも彼の人間性が垣間見える。風のように柔らかくすり抜けていく、掴みどころのない人。そんな軽やかな彼を見ていると、自分の心が解れていくのが分かった。そしてしばし隣人・中村倫也さんの妄想することで私のストレスは次第に解消されていった。大きな足音だってあくびだって、それが中村倫也さんのものなら無問題(モウマンタイ)。YES!ストレスフリー!この動画に出会っていなかったら、きっとストレス爆発して隣人側の壁に向かってスライム人形投げつけてたことでしょう。

この場を借りて中村倫也さんと所属事務所に感謝の気持ちを伝えたい。ありがとうございました。

中村倫也さんに動画撮らせるの思いついた人、コートをクリーニングに出したら内ポケットから1万円札見つかる魔法にかかれ。

*1:入江亜季さんの漫画を読んでる事実に好感度が爆上がりしました。

*2:何事にも執着せずに自然の成り行きにまかせて行動することのたとえ。

*3:心にわだかまりがなく、気持ちが素直でさっぱりしていること。