ヅカオタの備忘録②~ただいま宝塚~

初観劇を終えてから約一ヶ月後、私は再び宝塚を訪れた。

2018年5月15日(水) 星組公演『ANOTHER WORLD/Killer Rouge(キラールージュ)』を観るために。

この公演も前回と同様宝塚歌劇Webチケットサービスを利用。初めて一階席のチケットを購入した。

前回は阪急宝塚駅から劇場に向かったので、今回は阪急宝塚南口駅から劇場へ向かうことに。駅を降りて歩いていると宝塚大橋が見えてきた。今まで写真や映像でしか見たことのなかった眺めに感動する。想像していたよりも歩道が広い…。そして宝塚を訪れたのは二度目のはずなのに、気分はすっかり里帰り。大橋から見える阪急今津線宝塚大劇場に向かってただいまと声をかけたい衝動に駆られた。

(ちなみに阪急今津線といえば有川浩さんの小説『阪急電車』の舞台。いつか聖地巡りもしたい。)

 

今回の公演は104期初舞台生のお披露目公演でもあり、音楽学校を卒業した生徒たちが晴れてタカラジェンヌとして舞台に立つ瞬間を観られるのだ。なんだかめでたいなぁ。観劇前の私はそれくらいの認識だった。(甘かった)

まず最初に初舞台生の口上があり、初舞台生全員が紋付きに緑の袴でご挨拶をする。幕が開いた瞬間から伝わってくる厳粛な雰囲気。会場全体の空気も引き締まり、私も自然と姿勢を正していた。初舞台生は憧れの舞台に立てる喜びを噛みしめながら、一言一言丁寧に挨拶をする。その初々しい姿にどんどん涙が溢れてきた。これから抱腹絶倒の落語ミュージカルが始まるのに、大丈夫なのか私…

そんな私の心配をよそに、トップスター紅ゆずるさん率いる星組メンバーの軽妙なお芝居で会場は爆笑に包まれた。最後のオチまでしっかり笑わせてくるあたりも抜かりない。

 

幕間では初めて公演ドリンクを購入してみた。付属のマドラーでかき混ぜるのを忘れてしまい、最後はほぼ原液のシロップを飲んでいた。コップは軽く拭いてビニール袋(氷を捨てる所で貰える)に入れて持ち帰る。これは周りの方々がやっていたので真似をした。このコップは観劇の記念品として今も我が家に飾ってある。

ロビーには初舞台生の写真パネルが貼りだされており、口上を担当する出演者(公演ごとに3名ずつ)の左上には赤い花が飾られていた。これ出演者のご家族は嬉しいだろうなと思った。

 

再び幕が開いて始まったショーでは、紅ゆずるというスターの存在感とパワーに圧倒される。彼女を観てるとめちゃくちゃ元気が出る。紅さんがいれば悟空も一瞬で元気玉作れるレベル。

そして桜を連想させるピンクの衣装に身を包んだ初舞台生のラインダンスの場面。またもやその初々しさに泣いた。彼女たちはこの大劇場公演後、各組へ配属される。だから同期全員で舞台に立てるのは実質一ヶ月くらい。二年間苦楽を共にした仲間たちと作り上げる最初で最後の大舞台、それが初舞台生のお披露目公演なのだ。こんな尊い瞬間が毎年観られるんですか?最高では…?涙が止まらない…

 

こうやって舞台から元気を貰って明日も頑張ろうって思えるんだな。宝塚って凄いな。帰り道、脳内でキラールージュの主題歌を再生しながらまたも月並みな感想しか浮かんでこなかった。

もうこの時には覚悟していた。来月もここに来てるだろうなって。

次回に続く。